--------------------
べらどんな ハシリドコロ
GEN
pp.157
発行日 2020年2月15日
Published Date 2020/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213463
- 販売していません
- 文献概要
医術は世界で二番目に古い職業であるという。「二番目である」と断定できないのは,イギリスのチャールズ皇太子が,どこかでこれを自称していたからである。医術が職業として成立していたのは,これが呪術とダブっていたことや,病気はときに自然に寛解することも関係していようが,生薬(ショウヤク)が昔からあったことも大きな理由になろう。
生薬には植物性のものが多い。キナの皮からとれるキニーネはマラリアの特効薬であり,強心剤のジギタリスも3年草の草の葉から抽出される。ラテン語のdigitalisには「指」の意味があるが,これはドイツ語のFingerhut「指貫(ユビヌキ)」を英語に翻訳したからである。インカ時代の南米では,疲れたときにコカの葉を噛む癖があった。これからとれたのがコカインで,以前は点眼麻酔薬の代表であった。プロカインは「コカインの代用品」のことで,1918年に合成された。
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.