増刊号 実戦 メディカル眼科治療アップデート
メディカル眼科治療 各論
Ⅲ 神経眼科疾患
動眼・滑車・外転神経麻痺
中西(山田) 裕子
1
1神戸大学大学院医学研究科外科系講座眼科学分野
pp.217-223
発行日 2019年10月30日
Published Date 2019/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213347
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POINT
●眼運動神経の単独麻痺の原因は,いずれも血管性(虚血性)の頻度が最も多い。動眼神経麻痺では脳動脈瘤の有無,滑車神経麻痺では外傷の既往や先天上斜筋麻痺との鑑別,外転神経麻痺では頭蓋内腫瘍の検索が重要である。
●血管性(虚血性)の眼運動神経麻痺は自然回復の割合が多い。糖尿病など原因疾患の治療と併せて補助的に薬物治療を行う。
●自然回復までの経過観察や手術加療までの待機期間には,症例によりボツリヌス治療を用いて筋の拘縮の予防や自覚症状の軽減を図る。光学的治療では,経過を通じてプリズムや遮蔽膜を症状の固定後も活用する。6か月経過しても改善が得られない場合は,手術加療の適否を検討する。
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