銀海余滴
コンタクトレンズでめくらになる
内藤 慶兼
1
1松坂屋内藤眼科
pp.1164
発行日 1966年8月15日
Published Date 1966/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211130
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本年3月,これは昭和39年7月にも騒がれた問題であるが,「コンタクトレンズはめくらになる危険あり,と米眼科協会が報告」なる記事が,朝日,読売両新聞の朝刊や夕刊に掲載された。途端に今までコンタクトレンズを処方した患者さん達が,来るわ,来ルワ。いわく,"痛くもなんともないが,心配だ"内には記事を切抜いて,手紙で同封して送つてくる方もある。電話もかかつてくる。新しく入れたい人も,家で反対しているが,一応説明を聞いて納得出来れば注文する等々,応対に大童。
その後,大塚教授を始めとして,諸先生方が読売新聞や,週刊読売などで,アメリカではコンタクトレンズは,医者ではなく,検眼師(オプトメトリスト)と呼ばれる人達の手で開発され,普及されたので,眼科医がそれを警告したのだとか,医療費が高いアメリカでは,レンズを入れた後で,必要な定期検査は勿論,異常があつても簡単に医師のもとに行きにくい。定期検査や,夜寝る時は,レンズをはずして休むこと,痛いとか充血があつたりしたら,すぐに医師のもとへ行くことなどの反論や,注意を述べておられるが,殆んどの方は,後者の反論は読んではいない。
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