Group discussion
緑内障(第28回)
澤田 惇
1
1宮崎医大
pp.409-411
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210003
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
今回は,「開放隅角緑内障の早期診断」を主題として湖崎・澤田の司会のもとに行われた.まず視野変化によるものについては,北澤教授の指名講演に続いて,3題の一般演題が発表された.
北澤克明(岐阜大)は「視野による原発開放隅角緑内障の早期診断」と題して,主に自動視野計の紹介と,その緑内障診断における有用性をまとめた.原発開放隅角緑内障の早期視野変化は主にBjerrum領に生じる孤立暗点と鼻側階段であり,それらを確実に検出するためには静的視野検査が動的視野検査よりも優れていることは理論的に明らかである.静的自動視野計の開発により早期視野変化の検出が容易になっているが,微細な変化が検出可能になるにしたがって,正常な視野とは何であるかが改めて検討課題となっている.異常の判定にあたっては正常者の閾値が年齢,測定部位,中間透光体,屈折などの因子により変化することを知る必要がある.自動視野計ではマイクロコンピュータが内蔵されており結果が光感度閾値という形で数字として得られるため,結果を統計学的に解析することが容易に行いうる.既に実用化されている統計解析法にはいくつかの指数(corrected loss variance, short-term fluctuationなど)を指標として異常の出現,進行を判断しようとする試みや測定部位の異常である確率を計算するシステムなどがある.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.