GROUP DISCUSSION
第20回 緑内障
澤田 惇
1
1宮崎医大
pp.1385-1389
発行日 1979年10月15日
Published Date 1979/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207984
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〔主題〕原発緑内障の長期管理に関する諸問題
I予後
長期間にわたつて観察,治療を行なつている原発緑内障患者を対象として,治療期間内における視野変化を中心とした視機能の千後と眼圧変動,治療内容との関係を計量医学的手法で解析して,本疾患の進行度と治療効果について考察した。対象は5年以上にわたり治療している原発緑内障77症例,144眼てあり,各症例について,年齢,性,視野,眼圧,治療内容を集計した。視野変化については湖崎の分類で数量化し,治療内容については,無治療,1種類の点眼剤使用,2種類以上の点眼剤使用,ダイアモックス内服併用および手術に対して,0〜4の数量化を行なつた。眼圧については経過観察中における最高眼圧,最低眼圧および5年間における眼圧の平均値を用いて眼圧変動を表現した。なお,10年以上にわたり観察している症例については,前半の5年間と後半の5年間をそれぞれ独立していると仮定し集計した。また緑内障眼においては,眼圧,視野変化ともに左右眼での相関を認めなかつたので,左右についても独立していると仮定し,各眼について上記の変量を用いて主成分分析を行なつた。
主成分分析の結果,最高眼圧が第1主成分に,最低眼圧が第2主成分となり,治療内容は第1主成分に正の相関,第2主成分に負の相関を示した。第3主成分には年齢と予後が同程度の相関係数であつた。
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