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糖尿病性網膜症で網膜血管床閉塞がその基本的病変であると証明された事実を踏まえ,血管床が閉塞している網膜の機能についての検索を行った。我々は糖尿病性網膜症で,広範囲螢光造影と良質な動的量的視野の両者が得られた57例80眼について検討し,その結果,ほぼ正常の視野を示す第I群16眼,2/I・3/Iのイソプターが異常を示す第II群25眼,4/Iが異常を示す第III群28眼,4/Vまでも異常を示す第IV群11眼の4群に大別した。
第I群から第Ⅲ群までは,視野異常の程度と血管床閉塞の面積とに正の相関があった。そして各々の症例で視野のイソプターと螢光造影の前管床閉塞域とを重ねて比較検討すると,両者の範囲が凹凸の形を含め相似していた。第Iから第III群では,網膜血管床が閉塞している部位でも4/Vのイソプターの視野はよく保存されていた。第IV群は視神経炎等があり,検索時点では網膜血管床閉塞と視野異常の密接な相関はなかった。
以上血管床閉塞域の網膜では血流が非常に少ないにもかかわらず,視機能を完全には失っていない。この事実は,血管床閉塞域がhypoxic focusであり網膜症を悪性化させる主原因である,とする従来の説と合致していた。
We evaluated the quantitated perimetric findings in 80 eyes with diabetic retinopathy in which vari-ous degrees of capillary nonperfusion had been confirmed by panoramic superwide fluorescein angiography.
The 80 eyes were divided into four groups based on perimetric features: group A (16 eyes) showing normal visual field patterns up to the iso-pter I-2-e; group B (25 eyes) with depressed visual field for I-3-e and I-2-e isopters; group C (28 eyes) with depressed visual field also for I-4-e iso-pter and group D with constrictions for V-4-e iso-pter.
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