GROUP DISCUSSION
白内障(15回)
藤永 豊
1
1鳥取大
pp.851-859
発行日 1977年6月15日
Published Date 1977/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207462
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1.ヒト房水における遊離アミノ酸について
ヒト房水を用いた遊離アミノ酸の研究はほとんど見当らないのが現状である。今回ヒト房水中に,いかなる遊離アミノ酸が検出,測定されるかを調べる目的で実験を行つた。
実験には白内障(老人性,外傷性),緑内障の約40眼に対し,房水を採取し,Ion exchange single columchromatography〔日立KLA 5型〕を用いて,17種の遊離アミノ酸およびアンモニアについて測定を行つた。すべての検体に対し,検出されたのは必須アミノ酸中リジン,スレオニン,バリン,非必須アミノ酸中セリン,アラニンであつた。その他の12種の遊離アミノ酸は検出きれなかつたものと痕跡を認めるにすぎなかつたものとであつた。検出された遊離アミノ酸中,最も高濃度であつたものはスレオニン,次いでバリン,アラニン,リジン,セリンの順であつた。これらの実験成績と血清との関係,疾患別について検討を加え,考按した。
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