手術
欧米眼科の現行手術(3)
大塚 任
1
1東京医歯大
pp.1561-1568
発行日 1959年12月15日
Published Date 1959/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206794
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9.涙嚢炎
涙嚢炎に対して何処でもToti氏涙嚢鼻腔吻合術が行われ,単なる涙嚢剔出は一回も見なかつた。何処でも教授はやらず,助手が手術をしていた(Leonardi,Müller,Schreck)涙嚢内側に直径1糎半位円形のArrugaのトレパンで骨壁をとり,拡大し,鼻腔粘膜をたてにH形或いはI形に切開して涙嚢内側も同様に切開,両者縫合するのである。この孔がつまることもあり,Millerはかく例を再手術し涙嚢よりPolyethylene管を入れていた。Mil-ler氏の再手術例を記すると全麻の下,先ず鼻腔にAna-esthecianが10%長いコカインガーゼをつめ麻酔,次にワゼリンガーゼを鼻口の奥につめる。瞼裂部より少し低く鼻根部で少し鼻背によつた皮膚を弧状に縦に1.5cm位切り,骨膜に到り剥離子で骨膜剥離水道水を利用した血液は吸引器で吸引する。
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