Japanese
English
臨床実験
人眼網膜電流
Retina Electric Current of Human being
広瀨 東一郞
1
T. Hirose
1
1日本医科大学眼科学教室
1Department of Ophthalmology Nippon Medical College
pp.505-564
発行日 1956年3月15日
Published Date 1956/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410205665
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緒論
網膜機能の一つとしてHolmgren1)(1865年)が動物に於ける網膜活動電流に関し記載をなしてから,生理学的に多数の研究者に依り業績をみているが,生体人眼に於て網膜活動電流の記録をなした例は比較的少く,近来電気工学の進歩と共に除々に発展の途上にある現状である。
著者は純客観的網膜機能検査法として,網膜活動電流の記録を臨床的に応用せんと試み,自家考案装置並に方法をもつて,生体家兎眼より網膜活動電流の記録を得たので,引続き人生体眼に於ける網膜活動電流の各種基礎的条件に対する反応を記録検査し,考察の結果,茲に標準記録方法を定め,これに依る正常生体人眼並に病的生体人眼の網膜活動電流を撮影し,各種眼底疾患の網膜活動電流に及ぼす影響を知り,あわせてある一群が定則的にとる変化過程を得ると同時に,疾患の経過判定にも役立ちうること,並に眼底変化を網膜活動電流曲線上より逆に応用判定するもあながち不可能でないことを確め得たので,茲に其の研究の概要を取纒め報告する次第である。
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