第24回日本臨床眼科学会 Group Discussion
緑内障(第12回)
pp.1809-1812
発行日 1971年7月15日
Published Date 1971/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410204639
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1.Catecholamineの原発緑内障治療への応用について
〔宿題報告〕 北沢克明(千大)
近年,生理或は薬理学的研究によつて交感神経系について幾つかの新知見が得られた。中でも,交感神経系の末梢での刺激伝達物質が長年信じられていたエピネフリン(以下Eと略す)ではなく,ノルエピネフリン(以下NEと略す)である事,両者の末梢作用の不活性化が主として交感神経末端への取りこみ(re-uptake)による事が明らかとされた事は特記すべきである。カテコールアミンの内,Eはピロカルピンと並んで古くから緑内障治療に用いられているにも拘わらず,その眼圧下降機序については不明の点が多く,その眼圧下降作用のdose—responseについての系統的な検討も決して十分ではない。今回,私はカテコールアミンの内,l-E,l-NE,l—イソプロテレノールの眼圧下降作用について主として我々の基礎及び臨床実験成績を中心に検討を加え,次の成績を得た。
1) l-E及びl-NEは,ともに正常眼及び原発広隅角緑内障眼に於て眼圧下降及び散瞳作用を有するが,l-NEの眼圧下降作用と散瞳作用の間には明白な相関が認められるが,l-Eによる眼圧の下降と散瞳の間には平行関係は認められない。
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