談話室
福原先生と石原先生—傍観的国字論
広瀬 泉
1
Izumi Hirose
1
1山口県立中央病院眼科
1Ophthalmological Department of Yamaguchi Prifectural Central Hospital
pp.1395-1397
発行日 1967年12月15日
Published Date 1967/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410203770
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
私の中学時代,国漢の先生で,福原真幸なる方があつた。先生は「ローマ字論者」。しかも日本式,いわゆる訓令式採用の主張者で,折りにふれ,熱心に国語・国字問題を論じておられた。
私どもの中学時代といえば大東亜戦たけなわの頃。今の中国にみる紅衛兵的世代である。英語の先生をボイコットする程ではなくとも,隅の方に押しやつた感じがあつた。そのさなか,国漢の先生が,こともあろうにローマ字論とは誠に奇異の感を抱く他はない。極論するものの中には,国賊とののしり,先生が憲兵隊に調べられたという噂話をきいたこともある。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.