臨床実験
下眼瞼内反症に就いて
原 東亜
pp.758-759
発行日 1955年5月15日
Published Date 1955/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202212
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その時,私は若い婦人を処置台にのせ,角膜異物を摘出すべく,コカインの点眼麻酔を行つていたのであるが,看護婦と,投藥窓口から顔を覗かせて熱心に語り合つている中年の男との対話がとつても可笑しかつたので,まず私の患者が噴きあげるように笑いだし危く処置台から転げ落ちそうになつた程であつた。男が言つた。
「おらア能登島のもんでございみすが,前田のとおとに聞きみしたら,ここもとに毛の生えん藥があるちうこつで,へえ,どうかおらにもちよつこし分けてくさる訳にやいきみすまいか?」
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