銀海余滴
副腎皮質ホルモン療法の指針・その4
pp.1022
発行日 1954年10月15日
Published Date 1954/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202004
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コーチゾンの組織透過性
コーチゾンが単なる点眼で虹彩毛様体炎に効く所を見れば,相当に組織浸透性の強い薬剤であることが分かる。実験的にも,点眼によつても相当の量が眼球内に浸入すること,結膜下注射や球後注射の方が,生理的食塩水稀釈液点眼よりも,稍々多量に浸入すること及び所謂Wetting agentを混じた点眼薬では,結膜下注射に匹敵する大量が浸入すること等が証明されている。身体のリウマチがコーチゾン点眼によつて軽快したという如きは,その臨床的証明の興味ある一例である。従つてコーチゾン点眼薬には,その基礎剤に対する工夫が大切である。そのためには無水ラノリン或いは1%メチールセルローズ等が賞用される。
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