綜説
眼科に於ける診斷と誤診—東京眼科講習會講演(28.6.7)
馬詰 嘉吉
1
1東京醫大
pp.453-463
発行日 1953年9月15日
Published Date 1953/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201576
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私は眼科に於ける診斷と誤診と云う大きな表題を掲げたが,自分の身邊や從來歩んで來た道を,表題の樣な觀點から眺めて見る事とする。既に發表濟のものもあるし,又格別目あたらしい事もなく,日常診察場にありふれた事柄のみとなつたが茲に記述する次第である。
眼科専門家は,他科に較べて日常非常に多數の患者を診療される。從つて一々視力視野,眼壓分泌物等の検査をしている遑はない。夫れにも拘らず立派に診療されるのは,充分なる基礎的訓練と豊富な經驗の賜である。併し乍ら,或る程度の基礎的訓練と經驗を得た時代に於て,すべての診療を直感的に處理し,系統的な検査に缺くる所があるならば,そこに思わぬ誤を招くものである。
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