綜説
眼瞼整形手術手技—東京眼科講習會講演(28.6.7)
大熊 篤二
1
1横濱醫大
pp.533-539
発行日 1953年10月15日
Published Date 1953/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201594
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
私は戰時中陸軍々醫學校の嘱託として眼部戰傷患者の診療に從事し,終戰後も引續き國立東京第一病院に於て復員の戰傷患者の治療に當つていたので,各種の眼瞼變状に對する整形手術を比較的多數施行する機會を得た。軍醫學校に於ける記録は焼失したので明かでないが,國立東京第一病院に於ては233回の整形手術を施行し,其後横濱醫科大學に於て131回の整形手術を行つている。ここに整形手術というのは,主として眼部及びその周圍顔面の變形を舊に復する手術過程に於て皮膚缺損面を生じ,之を被覆閉鎖する必要のあるような手術を指すのであつて,例えば各程度の眼瞼缺損や瘢痕による各種の眼瞼の變形に對する手術,眼瞼の腫瘍摘出等を含み,眼瞼内反眼瞼下垂に對する手術及び二重瞼手術等は含んでいない。
これらの整形手術の術式は,その個々の場合により各種各樣であるが,本日はその基本となる缺損面の設定及び之を閉鎖する各種の方法に就て,私の日常行つている手技を述べることとする。決してここに述べるのが最良の方法であるという譯ではないが,私は之によつて大體滿足すべき結果を得ているので,初心の方の參考となれば幸である。尚これらの手法が各種の眼瞼變状に對してどのように應用せられるかに就ては,各種の眼科手術書殊に大橋孝平教授の新眼科手術學に詳しく記されているからそれを參照せられたい。
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.