綜説
續結膜炎と體質
三井 幸彦
1
1熊大眼科
pp.293-294
発行日 1952年4月15日
Published Date 1952/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201126
- 有料閲覧
- 文献概要
Hemophilus (Koch-Weeks)菌による結膜炎は,成人では急性カタル性結膜炎の所見を呈するのに反して,乳幼兒では漫性カタル性乃至は保菌者になり易い(1)。併し良く觀察すると,成人と乳幼兒との間にはもう1つ差がある。即ち成人の急性カタル性結膜炎に際しては,球結膜は著しく犯されるけれども,圓蓋部結膜には僅かに充血がある程度で殆ど著しい變化を認めない。これに反して乳幼兒では,慢性の所見を呈してはいるが,圓蓋部をみると相當強い充血や混濁がある。小兒の場合を見ると,急性カタル性の所見を呈する場合でも成人と異つて圓蓋部にかなり強い變化が認められる。
トラコーマに於ては成人と乳幼兒とで上の場合と全く反封の現象が認められる。即ち成人では圓蓋部に強い變化がおこるのに反して,乳幼兒特に初生兒では圓蓋部の變化は成人の場合程強くない。濾胞形成はおこらないで,皺襞を形成し,又急性期のものについてみると,初生兒の場合には域人よりはるかに早く見かけ上の輕快を來すのである(2)。
Copyright © 1952, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.