特集號 第5回關東甲信磐越眼科集談會
普通講演
(42) P.A.S.イオントフォレーゼ治驗例
石川 淸
1
1千葉大眼科
pp.186-190
発行日 1952年2月15日
Published Date 1952/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201086
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緒言
最近結核の化學療法は1943年Waksmannに依り發見されたStreptomycins (以下スと略)に依つて劃期的進歩が遂げられた。Paraamino-Salic-ylic-acid (以下P.A.S.と略)は1902年Slidel及びBittnerに依り始めて作られたもので,1945年Lehmonnに依り結核に對する抗菌作用のある事が發見されて以來,結核治療にスの缺陥を補つて益々有力な武器となりつつある。眼結核症に於ても之等化學剤の恩惠を受け全身的,局所的投與に依り其の効果に見る可きものがある。眼結核症に對する應用に關してはRees & Robson (1949)Witmer & Pagaz (1949),Bietti (1930),最近に於てHorne and Macaskill,Haaseの發表がある。本邦に於ては高橋,田地野,畠山等の發表が見られる。私はP.A.S.Na鹽溶液の夫々10%,5%,3%を用い健康家兎眼にIontophorese (以下「イ」と略)を施行し,其の房水内移行量を測定し且つ時間的經過を觀察し,此の基礎實驗に基き19例の結核性眼疾患に應用し興味ある成績を得たので茲に報告する。
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