臨床實驗
一種の家族性角膜變性症に就て
原 博
1
1日本医大眼科
pp.246-248
発行日 1950年6月15日
Published Date 1950/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200601
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Ⅰ緒言
「アクセンフエルド」は角膜変性症を,次の4種に分類している.即ち
1)(a)結節状角膜溷濁症 (b)格子状角膜溷濁症 (c)家族性角膜溷濁症 2)尿酸変性 3)脂肪変性 4)石灰変性 の4種である.
1)に属するものは臨床的所見は各々異つていますが,結局その溷濁の排列如何に依るものであり,或は結節状となり,或は格子状等となるものであつて,その各者間には,何れにも決定出來ない移行型を有しているものであり,顯微鏡的所見は,硝子樣変性に一致している,と述べて居り,これらは一括して,家族的に多く発生する所から,家族性角膜変性症と云われている樣である.是等疾患は,1890年「グレノー」氏が始めて報告されて以來,本邦でも,泰西でも,相次いで報告され,間然とする所なき有樣であるが,飜って,成因,治療法を見ると,諸説紛々として,一定していない.最近殊に著明に家族性に発生せる本症に相会し,その角膜上皮暦を剥除し,若予の治療成績を得,且つその病理組織を見る機会を得たので,御報告する次第である.
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