臨牀實驗
網膜色素線と外傷
三宅 寅三
1
1名古屋女子醫大眼科
pp.171-173
発行日 1949年4月15日
Published Date 1949/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200356
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網膜色素線で外傷を誘因として視力障碍を來したと言ふ例は少くないけれども,これを災害補償保險の觀點から取り上げた例は見られない。一體社會立法の歴史の短かい本邦ではこの種の鑑定に對する關心が薄かつたが,敗戰後の情勢の變化はこの種の問題を日常化する傾向にあるし,一方,色素線の如き比較的稀な疾患が而も外傷と關係した時と言ふ限定された事例を對象として細論することは稍々有閑的にも見えようが,鑑定の見地から見ると,誘因としての外傷と言ふ點では結核梅毒等の場合に通じ,又,外傷の直接的結果と後發的結果と言ふ點も廣く一般外傷の場合に通ずる原則的關連があるので,たまたま遭遇した1例について愚見を述べて見る。
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