Ⅴ外文抄録
American Journal of Ophthalmology. Vol 30. No.3. 1947.3.,他
中島 章
1
1東大
pp.85-89
発行日 1949年2月15日
Published Date 1949/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200328
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内因性葡萄膜炎に及ぼす過敏性の影饗Alan C.Woods.
葡萄膜炎は肉芽腫性と非肉芽腫性の二型に分ける事が出來る。兩者共細菌の眼への侵入によつて起るものではあるがその病理及變化の性質は全く異る。非肉芽腫型では,初期感染は眼内液の殺菌作用によつて防がれ,發病はしないが細菌蛋白に對して局所過敏性を生じ再感染又は他の感染巣,正常皮膚から細菌抗元が侵入すると反應を起すがこの反應は充血は強いが組織は殆んど變化しない。
肉芽腫性葡萄膜炎では全然事情が異り,眼に侵入した細菌は死滅せず,眼内にとつて繁殖し毒性を保ち,局所の病變を起す。然し,局所の變化は過敏性及免疫注によつて大きな變化を受ける。若し免疫によつて細菌の繁殖力が止らなければ炎症,乾酪化,壊死,組織變化等を起すが繁殖が止れば變化は少い。例として結核による病變を取つた,結核は一般には非好酸性菌によつて起る病變とは異るものの樣に考へられてゐるが私は原理は同じ事と思ふ。又以上の組織反應の法則は,未だ原因不明の病變にも適用し得るものと考へる。
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