コラム
姿勢変化に伴う眼圧変動を制する!?
木内 貴博
1
1筑波大学臨床医学系眼科
pp.278-279
発行日 2009年10月30日
Published Date 2009/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102971
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体位による眼圧差と緑内障の進行
近年,実生活を考慮に入れた眼圧管理の重要性が認識されるようになり,時代はより正確な眼圧変動の実態把握を望むような趨勢にある。姿勢の影響を加味した日内変動測定もその1つであり,これは座位姿勢よりも仰臥位のときの眼圧のほうが高いという背景に基づいて,睡眠時間帯の眼圧を横たわったまま測定し再構成するというものである。その結果,夜間の眼圧はこれまでに報告されてきたものよりもかなり高値であることが明らかとなり,ついにはこのことが緑内障の進行にかかわっているのではないかと疑問視する声すら出てきた。
そこで座位と仰臥位の眼圧差(ΔIOP)に着目して視野障害との関連性を検討してみると,ΔIOPが大きい例ほど易進行性であること(図1),同一症例でもΔIOPに左右差のある場合は,ΔIOPが大きいほうの眼の視野障害がより重篤であること(図2)などが次々と判明し1,2),体位による眼圧変動が緑内障の発症や進行に関係している可能性が示唆された。
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