今月の表紙
MALTリンパ腫
水澤 剛
1
,
根木 昭
2
1東京医科大学病院眼科
2神戸大学眼科
pp.649
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102225
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患者は80歳,男性。2005年に近医を受診し,右眼の結膜腫瘍を指摘された。2006年8月に腫瘍が増大したため,精査・加療目的で当科を紹介され受診した。既往歴として糖尿病,高血圧,陳旧性の脳梗塞がある。当科受診時の矯正視力は右0.7,左1.0,眼圧は左右ともに14mmHgであった。中間透光体は両眼に軽度白内障を認め,眼底には異常を認めなかった。右眼の球結膜から瞼結膜にかけてサーモンピンク様の多房性で血管に富んだ腫瘤を認めた。写真はそのとき撮影したものである。
同年10月,結膜リンパ腫疑いのもと,生検術を施行した。病理組織検査の結果,MALTリンパ腫と診断され,サザンブロット法でIgJH遺伝子の再構成も確認された。放射線照射を計30Gy行い,その後再発は認めず現在に至っている。
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