特集 眼感染症診療ガイド
III.検査・治療の基礎知識
抗真菌薬の使い方
鈴木 崇
1
1愛媛大学医学部眼科学教室
pp.311-316
発行日 2003年10月30日
Published Date 2003/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101481
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はじめに
抗真菌薬は眼科領域において,角膜真菌症や真菌性眼内炎などの真菌による感染症だけでなく,アカントアメーバによる角膜炎に対しても有効であり,それらの治療においては必要不可欠な薬剤である。だが,抗真菌薬は薬剤数が限られていることから選択の幅が少なく,従来画一的な投与が行われてきた。特に一般眼科臨床医にとって抗真菌薬を用いるべき疾患がなじみの少ないこともあり,より使用薬剤や使用法が限られてきた。
しかしながら,最近新しい作用機序をもつ抗真菌薬が発売され,抗真菌薬の選択肢の幅が増えてきたため,今後は各抗真菌薬の特徴・抗真菌スペクトルなどを考慮し,各疾患・各症例について,より効果的で副作用の少ない適切な抗真菌薬の選択が必要となってきている。本項では,抗真菌薬の分類,各抗真菌薬の特徴・作用機序・副作用,抗真菌薬のスペクトル,抗真菌薬の薬剤感受性試験,眼科領域における疾患別の抗真菌薬の選択と使用法について説明する。
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