今月の臨床 産婦人科と糖尿病—基礎知識と実地臨床
妊娠と耐糖能異常
5.糖尿病合併妊娠・妊娠糖尿病の管理 2)胎児のケア
佐々木 公則
1
,
石郷岡 哲郎
2
,
石川 睦男
2
1斜里町立国民健康保険病院産婦人科
2旭川医科大学産婦人科学教室
pp.150-153
発行日 2002年2月10日
Published Date 2002/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409905054
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はじめに
近年妊娠糖尿病(GDM)全例スクリーニング法の普及,糖代謝異常例管理法および新生児管理の進歩により,糖代謝異常例の母児予後は改善傾向をみせており,後述する特別な場合以外はその診断,管理手法はほぼ完成の域に達したと言っていいであろう.つまり「現在は糖代謝異常妊婦において糖代謝の完全正常化は可能であり,その結果として特別な産科的管理(胎児管理も含め)は存在しない」.ただし①妊娠初期に診断されたGDM例,②妊娠前コントロール(pre-pregnantcare)不良例,③妊娠中のコントロール不良例などにおいてはその限りではなく,種々の胎児異常(奇形,巨大児,子宮内胎児発育遅延〔IUGR〕など)を念頭においた慎重な胎児評価,管理が重要となる.
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