特集 エコー 診療マニュアル
産科
23.妊娠初期の胎児発育—8週
竹村 秀雄
1
Hideo Takemura
1
1小阪産病院
pp.1410-1411
発行日 1991年12月10日
Published Date 1991/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904988
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妊娠8週3日の胎児前額断面像(図1)
最終月経起算で妊娠8週1日の胎児前額断面像である。経腟エコーでは矢状断面像が得られることは少なく,この図のような前額断面像での観察が中心となることが多い。頭部がやや背側で切れているために第4脳室が大きくみられ,あたかも頭部は一つの脳胞のように見えているが,もう少し腹側で切ると側脳室内に脈絡叢が見えることもある(妊娠6,7週の頭部は単脳胞で占められている)。上,下肢は躯幹から左右に突き出したように見えており,両下肢の間には尾部が突出している。頭殿長は15mmで8週3日と推定した。その後11週で行った経腹エコーでも頭殿長は2日分大きかった。羊膜も良く見えており,羊膜と絨毛膜との間,つまり胚外体腔内に卵黄嚢(直径4.3mm)がくっきりと見えている。
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