今月の臨床 分娩の多様化とリスク管理
分娩様式とリスク管理
2.LDRシステム
伊藤 博之
1
1聖路加国際病院産婦人科
pp.1429-1431
発行日 2002年12月10日
Published Date 2002/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904794
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はじめに
近年,わが国の少子化は年々増加の傾向にあり,同時に産科医療も大きく変りつつある.今日では妊産婦側からの要望も多様化し,自分の考えたイメージに合った出産ならびに満足できる分娩環境を求める方向に変化しつつある.そのため医療を提供するわれわれもそれに沿った対応を迫られている.その1つにLDRシステムがある.LDRとはlaber-delivery-recovery(陣痛—分娩—回復)の略で,出産の各期を一室で過ごすもので,別名single room maternity care(一室分娩室)とも呼ばれている.
聖路加国際病院(以下,当院)では1992年,病院の新築移転に伴い,旧来の分娩室をすべて排除し,このLDRシステムを導入し本年でちょうど10年が経過した.本稿ではその間の経験を踏まえてLDRシステムの利点,欠点ならびに将来への展望などについて述べる.
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