症例
巨大粘膜下筋腫の経頸管的摘出—バゾプレッシン局所投与とレゼクトスコープの併用
山田 隆
1
,
武内 享介
1
,
岡田 十三
1
,
本山 覚
1
,
丸尾 猛
1
1神戸大学医学部産科婦人科学教室
pp.634-637
発行日 2001年5月10日
Published Date 2001/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904343
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妊孕能温存を必要とする若年女性における粘膜下筋腫に対して,レゼクトスコープを用いた経頸管的切除術が急速に普及しつつある.しかし筋腫が大きい場合はその摘出に困難を伴い,GnRH ana—logueの術前投与による筋腫の縮小化あるいは複数回の経頸管的切除を要することがある.筆者らは出血が持続する巨大粘膜下筋腫に対してvaso—pressinを併用し,レゼクトスコープおよびバイポーラ—シザーズによる経頸管的切除術を施行し,一期的に摘出し得た.本症例のようにGnRHanalogueによる前処置を行う時間的余裕がなく,緊急的に巨大粘膜下筋腫に対して経頸管的切除を行う場合,血管収縮作用のあるvasopressinの局所投与は術中出血量低減のためぜひとも試みる価値がある方法であると考えられた.
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