臨床経験
新しいエストラジオール測定キットの基礎的および臨床的検討
髙橋 健太郎
1
,
宮﨑 康二
1
1島根医科大学医学部産科婦人科
pp.721-726
発行日 2000年5月10日
Published Date 2000/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904045
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ホルモン補充療法(HRT)の普及に伴い,血中のエストラジオール(E2)測定は治療上重要であるが,結合型エストロゲン(CE)投与患者において,測定されたE2値は正確な血中E2値を反映していないのではないかという疑問がある.今回,E2以外のエストロゲンおよびその誘導体に対する交差反応性の低いCoat-Count Estradiol−6 kit(E2—HRTキット)の基礎的および臨床的検討を行った.基礎的検討の結果,最小検出感度は10pg/mlであり,再現性試験も良好であった.患者血清における従来のCoat-Count Estradiol kitとの比較検討の結果,コントロール群およびE2投与群においては両キット間に血中E2濃度の解離はほとんど認められなかったが,CE投与群においては50%に解離が認められた.以上より,E2HRTキットはE2以外の成分と交差反応性はきわめて少なく,HRT施行時における結合型エストロゲン投与時の血中E2濃度を正しく反映していると推察される.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.