今月の臨床 産褥の異常と対策
授乳と薬剤
授乳と薬剤
佐藤 孝道
1
1虎の門病院産婦人科
pp.1478-1480
発行日 1999年12月10日
Published Date 1999/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903858
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薬剤処方の考え方
薬剤を処方するに当たって,われわれはさまざまな要因を考慮する必要がある.もちろん,薬剤投与の必要性,効果,副作用がある.母乳哺育そのものに関しても同様である.本来こうした要因を個別化された症例,薬剤について比較検討し,evidenceに基づいて,薬剤を投与するか否か,投与するとすればどの薬剤を選択するかを決めることが望ましい.
一方,無視できない文書として添付文書がある.添付文書について,以下のような判決がある.「医薬品の添付文書の記載事項は,当該医薬品の危険性(副作用等)につき最も高度な情報を有している製造業者または輸入販売業者が,投与を受ける患者の安全性を確保するために,これを使用する医師等に対して必要な情報を提供する目的で記載するものである.」1)「医師が医薬品を使用するに当たって添付文書に記載された使用上の注意事項に従わず,それによって医療事故が発生した場合には,これに従わなかったことにつき特段の合理的理由がない限り,当該医師の過失が推定される.」1)「医師は一般に,医薬品が公認されたものであれば,それ自体が安全なものかどうか,能書記載の用法,用量等は適切なものかどうかまで確認する義務はない.」2)
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