今月の臨床 —リニューアル—帝王切開
帝切の現況
3.子宮壁の切開と縫合法—私はこうしている 3)
信永 敏克
1
,
村田 雄二
1
1大阪大学医学部産科婦人科
pp.1242-1243
発行日 1999年10月10日
Published Date 1999/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903788
- 有料閲覧
- 文献概要
手術は解剖学的に切開し修復することが原則であり,多くの成書にも子宮下部横切開の帝王切開術の際は,子宮筋層縫合後に膀胱子宮窩腹膜を再縫合すると記載されている.その目的は,正常解剖学的位置に戻し腸管との癒着形成を防ぐためといわれてきた.しかし,膀胱子宮窩腹膜を再縫合することにより癒着が防止されるという根拠はなく,また,創傷治癒の観点からも膀胱子宮窩腹膜の再縫合は必ずしも有益でない.実際われわれは,子宮下部横切開の帝王切開術では膀胱子宮窩腹膜を再縫合せず閉腹しているが,術後合併症は増加していない.今回は,帝王切開術施行時の膀胱子宮窩腹膜の再縫合が必要か否かに関して文献的考察を行った.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.