今月の臨床 婦人科外来
婦人科医としての必須知識
2.月経周期の必須知識
苛原 稔
1
,
青野 敏博
1
1徳島大学医学部産科婦人科
pp.360-364
発行日 1999年4月10日
Published Date 1999/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903587
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思春期と初経
1.思春期発来機序
女性の思春期とは,乳房の発育や陰毛の発生などの第二次性徴の発現に始まり,初経の発来を経て第二次性徴の完成と生殖機能が完成するまでの期間を指す.だいたい8〜18歳ころまでをいう.
ヒトを含む哺乳動物では,一定の年齢に達すると思春期が発来する.その機構の詳細は不明であるが,最近の研究では次のように考えられている(図1).すなわち,視床下部からGnRHはパルス状に分泌されるが,小児期にはごく少量のエストロゲンの分泌によりネガティブ・フィードバックがかかり,さらに扁桃核や松果体などの上位中枢からの抑制があるので,視床下部からのGnRHの分泌は抑制されている.それが思春期になると,視床下部のエストロゲンに対する閾値が上昇し,また上位中枢からの抑制が解除されることにより,GnRHのパルス状の分泌が開始し,そのため下垂体からのゴナドトロピン分泌が始まる1).はじめは夜間睡眠時にLHのパルス状分泌が起こることから始まり,次第に1日中分泌がみられるようになる.さらに,下垂体のGnRHに対する反応性が上昇し,FSHも含めたゴナドトロピンの分泌が増加する.
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