今月の臨床 羊水
羊水異常の治療
1.腎透析患者の羊水制御—Dry weightの設定
川島 洋一郎
1
,
沼田 久美子
1
,
久保 和雄
2
,
佐中 孜
2
1戸田中央総合病院腎臓内科
2東京女子医科大学第四内科
pp.1280-1283
発行日 1998年10月10日
Published Date 1998/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903426
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透析療法を受けている患者を含め,末期腎不全患者の妊娠はまれであり,また妊娠した場合でも未熟なために胎児を失う確率も高い.これは性腺機能障害によると考えられているが,加えて,まだ不明のホルモン異常も関与していると推察されている.最近の透析療法の進歩・発展により透析患者のQOLも向上し,妊娠・出産の要望は増えてきている.とくに近年,遺伝子組換え型エリスロポエチン(rHuEPO)が貧血の治療に使用されるようになり,全身状態が良好になってきたこと,また高プロラクチン血症の改善がみられることがその理由と考えられるが,この数年間の妊娠・出産の報告が増加している.しかし,依然として妊娠の確率は低く,また妊娠した場合にもそれを継続し分娩に至る頻度は低い.その原因の一つは羊水過多による胎児の成長障害と考えられる.
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