連載 OBSTETRIC NEWS
産科超音波診断—カナダ産婦人科学会の声明
武久 徹
pp.1327-1330
発行日 1997年12月10日
Published Date 1997/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903124
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産科超音波診断が採用されるようになって,産科管理は飛躍的に発展した.分娩前胎児管理試験で,侵襲がなく,偽陰性および偽陰性が最も少ないbiophysical profile scorig(BPS)を例にとると,BPSを紹介したManningが最近まで15年以上在籍したManitoba(カナダ)における周産期死亡率は,分娩1,000当たり50(1950年代),15(1970年代),8(1980年代),そして1993年には5.5と劇的な減少を示している(Fetal Medicine, ed.Manning FA, p 3,1995).しかし,産科超音波診断は,“diagnostic imaging”であることをつねに念頭において利用することが必要である.「悲しい知らせをどのように確認して,知らせるか?」(Birth 19:92,1992)は重要な問題であり,また難解症例,未熟な手技および知識などが原因で,不正確な診断を行い,医療訴訟の原因にもなり得る.Sandersによれば,超音波診断に関する282例の医療訴訟の80%は,産科関係である(表1)(Sanders RC:in Ultrasound in Obstetrics andGynecology.eds.Chervenak FA, et al, vol.1,chapter 25, p 263,1993).
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