産婦人科クリニカルテクニック ワンポイントレッスン—私のノウハウ
内診における子宮頸管の移動痛の重要性—他科疾患との鑑別において
貝原 学
1
1帝京大市原病院
pp.901
発行日 1994年7月10日
Published Date 1994/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901823
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下腹部の疼痛を主訴とする疾患には種々なものがある.子宮や付属器をはじめとする婦人科的疾患の他に,腸管や尿路系の疾患など他科の疾患の場合もある.これらの疾患を鑑別するためには内診の所見が重要であることは言うまでもないが,特に子宮頸管の移動痛(Schiebschmerz)の有無に注目することが大切である.下腹部痛が子宮や付属器の疾患に基づく場合には,内診指によって子宮頸管を前後あるいは左右に圧迫移動させると疼痛を訴えるのが通例である.しかし,腸管や尿路系の臓器の疾患の場合にはこのような移動痛が認められない場合が多い.
移動痛の有無によって他科疾患と区別することができる症例をここに紹介する.
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