今月の臨床 子宮外妊娠—up to date
新しい治療法の試み
23.MTX療法の適応と要約
岩下 光利
1
Mitsutoshi Iwashita
1
1東京女子医科大学母子総合医療センター
pp.408-410
発行日 1993年4月10日
Published Date 1993/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901247
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子宮外妊娠の大半を占める卵管妊娠の治療法としては従来より外科的な病巣の切除が行われてきたが,近年,保存的な治療法が試みられるようになり,良好な成績を上げてきている。その背景には高感度なβ—hCGのRIAの開発や超音波断層法の進歩により詳細な画像診断が可能となったこと,さらには腹腔鏡の導入などにより破裂前の卵管妊娠が診断できるようになってきたことが大きく貢献している。
このような破裂前の卵管妊娠に対して卵管の機能を温存し,次回の妊娠に対する妊孕性を残した治療法が考案されてきた。保存的治療法としては保存的手術と薬物治療に大別され,薬物療法としてはアクチノマイシンD,KCI,高浸透圧グルコース,抗プロゲステロン剤であるRU486,抗hCG抗体,メソトレキセート(methotrexate,MTX),プロスタグランディンなど種々の薬剤が試みられてきたが,現在ではおもにプロスタグランディンとMTXが用いられている。
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