今月の臨床 良性卵巣腫瘍—治療方針
フォローアップと予後
23.良性からの悪性変化—フォローアップに際しての注意と考え方
奥田 博之
1
Hiroyuki Okuda
1
1岡山大学医学部産婦人科
pp.306-308
発行日 1993年3月10日
Published Date 1993/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901217
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卵巣腫瘍の良性,悪性の鑑別は,他臓器の腫瘍と比べ,組織診を用いても難しい場合が多い。事実,良性と悪性の中間病変として,境界悪性(borderline malignancy)あるいは低悪性度(lowmalignant potential,LMP)と呼ばれる腫瘍群の存在がWHO,FIGO,日本産科婦人科学会などいずれの組織分類においても認められている。したがって,原則的にはいかなる卵巣腫瘍といえども腫瘍の病理組織羊的な検索を経ずに安易に良性と判断し,これをそのままフォローアップすることはできるだけ避けるべきであり,止むを得ず腫瘍をそのままフォローアップするに際してはいかに慎重に対応してもし過ぎることはない。
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