今月の臨床 漢方薬—西洋医薬との使い分け
漢方療法の基礎
1.東洋医学と西洋医学の違い
大澤 仲昭
1
Nakaaki Osawa
1
1大阪医科大学第一内科
pp.1412-1413
発行日 1992年12月10日
Published Date 1992/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901090
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最近わが国では,非常に多くの医師が漢方薬を使用した経験を持つようになっているが,それにはいくつかの理由があると思われる。
その代表的な理由としては,第二次大戦後感染症対策が可能となるにつれ,内的原因による疾患が問題となってきたこと,西洋薬にときにみられる重篤な副作用の問題,さらには西洋医療の専門化が進むにつれ,漢方医療のすぐれた特性である全人的治療が注目されるようになったことなどがあげられる。ただ,漢方薬がこのように広く使われるようになった要因としては,漢方薬の多くの処方が,エキス剤になり使いやすくなったこと,さらには漢方薬が保険診療で使えるようになった点が大きいと考えられる。
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