今月の臨床 排卵—誘発と抑制の実際
排卵メカニズム
4.排卵と副腎皮質
見尾 保幸
1
Yasuyuki Mio
1
1鳥取大学医学部産科婦人科
pp.1039-1041
発行日 1992年9月10日
Published Date 1992/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900990
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成熟婦人では,末梢血中の性steroids(estro—gens, androgensおよびprogestins)濃度に対する視床下部—下垂体—卵巣系のnegativeあるいはpositive feedback機構により巧妙な内分泌学的制御が行われ,排卵が起こる。したがって,内分泌疾患によるこれらの性steroidsの産生異常は,当然のことながら排卵障害につながることになる。性steroidsの主要な産生臓器が卵巣と副腎皮質であることから,副腎皮質機能と婦人の性周期との間に密接な関連があると考えられる。とくに,副腎でのsteroid生合成の異常に起因する高androgen血症と卵胞発育,排卵との関係が明らかとなってきた1)。本稿では,この副腎機能障害に基づく高androgen血症の発生機序とその卵胞発育,排卵に及ぼす影響について解説する。
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