症例
前期破水による羊水過少症を伴った新生児肺低形成の2症例
宮 裕子
1
,
樋口 誠一
1
,
早川 正明
1
,
真木 正博
1
Hiroko Miya
1
1秋田大学医学部産科婦人科学講座
pp.1215-1220
発行日 1991年10月10日
Published Date 1991/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900597
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妊娠中期に破水後,羊水過少となり,児は肺低形成をきたし,新生児死亡にいたった2症例を報告する。破水期間は2週間以上の長期にわたった。2症例とも超音波により,羊水腔・胎児の胸囲の計測,腎・尿路系,四肢の奇形の有無をみて待機的に経過観察していたが,子宮収縮が抑制できなくなり妊娠26週で自然分娩となった。
症例1:妊娠18週に破水し,55日目に妊娠26週1日で916gの女児を自然分娩。児は人工呼吸管理したが,生後4日目にDICにより死亡した。剖検では肺のDNA量29.1mg,全肺DNA/体重比30.6mg/kgであり,低値を示した。
症例2:妊娠23〜24週で破水し,妊娠26週5日に1,091gの女児を自然分娩。サーファクタント120mg気管内注入したが効果なく,8時間30分後に呼吸不全で死亡した。
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