特集 最新治療薬ガイド1990
Ⅱ.婦人科一般用の治療剤
7.更年期の腰痛治療薬
苛原 稔
1
,
青野 敏博
1
1徳島大学医学部産科婦人科
pp.1075-1076
発行日 1990年12月10日
Published Date 1990/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900210
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更年期の婦人では,女性ホルモン分泌の急激な低下に伴って自律神経が失調し,のぼせ・ほてり,発汗などの血管運動神経症状の他に,腰痛をはじめ肩凝り,関節痛などの運動器神経症状を中心とした疼痛を伴う不定愁訴を訴えることが多い。
更年期婦人の不定愁訴としての腰痛を取り扱う際には,性器の炎症,腹部の良性腫瘍(子宮筋腫,卵巣嚢腫など)や悪性腫瘍(子宮癌,卵巣癌など),尿路系の疾患,さらには骨粗鬆症をはじめとした骨疾患など,器質的な疾患を原因とする腰痛が含まれている可能性があるので,十分な検索を行って,これらの疾患を除外する必要がある。また,更年期の腰痛の発症には女性の解剖学的特質も関与する部分が多く,治療にあたっては薬剤の投与とともに姿勢や生活習慣の改善,運動療法の導入なども考慮する必要がある。
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