今月の臨床 重篤な遺伝性疾患の着床前診断―患者ニーズと診断・治療の現状
倫理的側面から
着床前診断(PGT-M)に関する各国の規制状況とその倫理的・社会的影響
仲里 ケイト
1
,
加藤 和人
1
1大阪大学大学院医学系研究科医の倫理と公共政策学
キーワード:
着床前診断
,
遺伝性疾患
,
生殖医療
,
疾患の重篤性
Keyword:
着床前診断
,
遺伝性疾患
,
生殖医療
,
疾患の重篤性
pp.241-246
発行日 2024年3月10日
Published Date 2024/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409211163
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●単一遺伝子疾患に対する着床前診断(PGT-M)にはいくつかのメリットがある一方,遺伝子疾患をもつ人に対する差別を助長する懸念があるうえ,非医療目的で(親が望む外見や能力などをもつ子どもをもつため)使用される可能性もあり,何らかの規制が必要である.
●PGT-Mを重篤な疾患に制限することが多いが,重篤性の意味と,重篤性をどうやって定義しているのかという点も重要である.
●PGT-Mにより生まれてくる子どもだけでなく,その子どもや家族が所属するコミュニティ(社会・世界)にもさまざまな倫理的・社会的影響を及ぼすため,それぞれの観点から影響を検討しなければならない.
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