増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために
婦人科疾患
子宮内膜症に対して薬物療法を行うにあたっての患者説明
北脇 城
1
1京都府立医科大学大学院女性生涯医科学
pp.274-278
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210370
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
必ず説明しておくべきこと
◆子宮内膜症の主症状は疼痛,不妊,子宮内膜症性卵巣囊胞である.良性疾患ではあるが,子宮内膜症性卵巣囊胞の約1%が悪性転化する.子宮内膜症に罹患していることが周産期合併症や心血管疾患リスクを上昇させる.
◆治療方針の決定にあたって考慮すべき要因は,疼痛,不妊,子宮内膜症性卵巣囊胞の3項目にほぼ集約される.
◆基本的な治療方針には,手術療法,薬物療法,不妊治療,経過観察がある.
◆妊娠,閉経により症状は改善するが,子宮内膜症性卵巣囊胞は破裂,感染,悪性転化などをきたすことがあるので注意が必要である.
◆手術療法,薬物療法は,いずれによっても完治するものではないので,長期管理が必要である.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.