増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために
婦人科疾患
子宮腺筋症の治療を行うにあたっての患者説明
廣田 泰
1
1東京大学大学院医学系研究科産婦人科学講座
pp.285-290
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210372
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必ず説明しておくべきこと
◆子宮腺筋症による疼痛と異常子宮出血に対しては,対症療法と内分泌療法(第一選択 : ジエノゲスト,子宮内黄体ホルモン放出システム,低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬),根治療法として子宮摘出術が選択される.
◆挙児希望がある場合には早期の不妊治療のステップアップを勧め,不妊治療の際には単一胚移植など多胎予防に留意する.妊娠時は流産,早産,妊娠高血圧症候群などの周産期リスクを考慮し,高次周産期施設での管理を勧める.
◆子宮腺筋症病巣除去術は,症状,内分泌療法の反応性,着床障害・不育症・早産などの既往歴,卵巣予備能や年齢などを踏まえて,症状改善とともに妊孕能を温存し挙児を可能にする治療の最終的な選択肢という位置づけで行う.
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