増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために
思春期・若年期
Q7 娘への接種を考えていますが,子宮頸がんを予防するワクチン(HPVワクチン)は本当に安全ですか?
宮城 悦子
1
1横浜市立大学附属病院産婦人科
pp.226-227
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210360
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A7
子宮頸がんを予防するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは,多くの国で,性交渉開始前の女児を中心に80〜90%の接種率を達成しています.一般的にワクチン接種後は,比較的短期間に改善する症状と,ワクチン接種との直接な関係が証明できないさまざまな症状が起こる可能性があります.もしも,ワクチン接種後にさまざまな症状が続く場合には,接種した施設を通じて専門医の診察を受け,地域でカウンセリングやリハビリテーションなどの適切な治療を実施し,二次的な身体の不調につなげないことが重要です.国のワクチン接種プログラムであるHPVワクチンについても,接種した医療施設と専門施設が連携するシステムが各都道府県にできています.高い子宮頸がん予防効果が証明されているHPVワクチン接種の利益と不利益を理解したうえで,接種するかを決めてください.
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