連載 FOCUS
腹腔鏡下仙骨腟固定術─骨盤臓器脱─戦国時代を生きる
市川 雅男
1
,
関根 仁樹
1
,
可世木 華子
1
,
小野 修一
1
,
峯 克也
1
,
明楽 重夫
1
1日本医科大学産婦人科
pp.137-141
発行日 2015年1月10日
Published Date 2015/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208195
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はじめに
現在の骨盤臓器脱治療の世界は,新旧含めて多種多様な術式が混沌として存在し,どの治療法が勝ち残るのかわからない戦国時代のようである.そして,このような急激な治療法の変化に伴い,かつて産婦人科医にとって身近な疾患であった骨盤臓器脱は,いまや遠い存在に変わりつつある.こうした現状は,現代骨盤臓器脱治療における大きな問題である.その解決手段として注目されているのが腹腔鏡下仙骨腟固定術(laparoscopic sacrocopopexy : LSC)である.今回,われわれが紹介するLSCは,従来の術式(ダブルメッシュLSC)よりも大幅に簡素化され,腹腔鏡の基本手技があれば誰でもできる簡単な術式となっている.したがって,この術式をマスターすることにより,多くの産婦人科医が再び骨盤臓器脱治療に取り組むことができる.それにより,現代骨盤臓器脱治療が大きく発展することが望まれる.
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