生涯研修セミナー 不妊症
不妊とSTD
淵 勲
1
Isao Fuchi
1
1近畿大学医学部産科婦人科学教室
pp.568-570
発行日 1988年6月10日
Published Date 1988/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207811
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卵管不妊の要因となるPID (pelvic inflammatory disease)はNeisseria gonorrhoeae (N-gonorrhoeae)によるものが多いということは以前より知られた事実である。近年はChlamydia trachomatis(C-trachomatis)が流行し,王座を奪う趨勢にある1)(表1)。Wasserheit2),Paavonen3)らはSalpingitis.PIDを詳細に調べ,卵管不妊との関係を述べており,またHawes4),Kosseim5),らはC-tra—chomatisの血清学的検索を行い,PID—卵管不妊にC-trachomatisが強く関与していることを報告している(表2)。
STD病原微生物が生殖系に上行感染し,Salpingitis,PIDへと波及する。卵管の狭窄や運動不良によって卵の輸送を妨げ,受精障害を起こし,また卵管周囲炎により卵管采の閉塞を来す。
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