境界領域の再評価とその展開 特集
脳・内分泌腺の手術と産婦人科
Overview
下垂体腫瘍手術後の性機能と妊娠
青野 敏博
1
Toshihiro Aono
1
1徳島大学医学部産科婦人科学教室
pp.439-441
発行日 1987年7月10日
Published Date 1987/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207612
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ヒトの脳下垂体はわずか0.5gの小さな組織であるが,前葉からは甲状腺,副腎皮質,卵巣および精巣を刺激するホルモンと,成長ホルモン,プロラクチンが分泌されるほか,後葉からはオキシトシンとバゾプレッシンが分泌される重要な器官である。脳下垂体の後葉は神経細胞の軸索が延びてきているのみなので,腫瘍は発生しないが,前葉には腺細胞に対応する腫瘍すなわち腺腫adenomaが発生する。
腺腫が発生すると,ホルモンの過剰分泌による症状が発現し,さらに増大すると視神経を圧迫して視野の欠損を来し,頭痛,嘔気などの症状を呈するので,手術的に摘除することになる。
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