境界領域の再評価とその展開 特集
Gynecologic Functioning Tumorとその外科的対応
生殖機能と関連のある副腎疾患とその外科的対応
中野 優
1
,
阿曾 佳郎
1
Masaru Nakano
1
,
Yoshio Aso
1
1浜松医科大学泌尿器科学教室
pp.32-35
発行日 1987年1月10日
Published Date 1987/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207521
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副腎皮質からはステロイドホルモンであるグルココルチコイド,ミネラルコルチコイド,性ホルモンが,副腎髄質からはカテコールアミンやオピオイドペプタイドが分泌される(図1,2)1,2)。コルチゾールおよび男性ホルモンが過剰となるクッシング症候群や,性ホルモンが過剰となる副腎性器症候群では女性の生殖機能に異常が見られる。また,他の副腎疾患も妊娠,分娩において大きな障害となることがある。副腎ホルモン産生の異常は高血圧をはじめとして種々の症状を呈し,母体だけでなく,胎児にも大きな影響を与える。そのため,診断,治療にあたっては十分注意しなくてはならない。副腎疾患の多くは,外科的治療により治癒し,患者は正常な生殖機能を回復して,安全な分娩を行うことができるようになるからである。
本稿では,妊娠から分娩を含めた生殖機能に影響を与える副腎疾患と,主にその外科的対応について述べる。
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