薬の臨床
新しく開発されたE3−16—Gラテックステストの検討
大森 研二
1
,
藤井 正博
1
,
本庄 英雄
1
,
岡田 弘二
1
Kenji Omori
1
1京都府立医科大学産婦人科教室
pp.355-359
発行日 1985年5月10日
Published Date 1985/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207180
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妊娠末期の胎児—胎盤機能検査として現在E3—LAIR法を用いた簡易測定法が実用化され,広く日常臨床に用いられている。このE3—LAIR法は母体尿中の総エストロゲンを半定量するものである。今回我々は母体尿中のE3−16—Gのみを特異的に半定量するE3−16—Gラテックスキットを用いて臨床サンプルにつき種々検討を加えた。この尿中E3—16—Gの測定は従来より母体腎疾患,妊娠中毒症等において有用であることが知られている。我々は基礎的検討としてこのE3−16—Gラテックスキットと現在用いられているE3—LAIR法のものを比較検討した。その結果両者はよく相関することがわかった。E3−16—Gラテックスキットが従来のものと同様に利用出来るということが判明した。さらに臨床症例についていくつか検討を重ね,従来のものより早期に異常が発見される可能性を示した。今後さらに多くの症例について検討が加えられれば,より有益であると考えられる。
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