教室だより
新生児トキソプラズマ抗体価の推移と母児相関に関する研究
竹中 静廣
1
,
仲地 廣順
1
Shizuhiro Takenaka
1
,
Hiromasa Nakachi
1
1琉球大学医学部附属病院産婦人科
pp.478-479
発行日 1982年6月10日
Published Date 1982/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206637
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産科領域におけるトキソプラズマ症(以下ト症と略す)の問題点は,妊娠中にト抗体価が陽性を示す妊婦のほとんどが慢性感染または不顕性感染例のため感染の時期が不明であること,さらに,このような妊婦より出生した児について,臍帯血のト抗体価のみが陽性を示した場合,不顕性感染例なのかあるいは単なる母体よりの移行抗体による陽性例であるのか,区別がつけがたいことなどであろう。
そこで,ト抗体価陽性を示す妊婦の母児間の免疫学的関係を検討する目的で,妊婦については妊娠各時期において,また,ト抗体価陽性妊婦より出生した児については生後1年間にわたって,それぞれ定期的に血清中のIgG,IgM,IgAとIgGト抗体価およびIgMト抗体価を測定し,ト抗体陰性例の母児のそれらと比較することによって先天性ト症の診断に役立てようと試みた。
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